ライフスタイルマガジン『くまもとのいえ』と連動した、熊本の家づくり情報を網羅したプラットホームです。
建築家、住宅会社の新築からリフォーム、リノベーションまでさまざまな事例をご紹介。
2021/8/9
くまもとで暮らすぜいたく
子どもが元気に育つ木の家
「ただいま」の深呼吸が最高の愉悦となる
手練れた大工職人ならではの湾曲天井を実現。空間の拡がりを持たせ、杉と漆喰の空間は調湿作用に優れ、とにかく気持ちがいい
自ら乾くことのできる呼吸する断熱材「羊毛 断熱材」。木造建築の耐久性を著しく低下させる壁体 内部結露を排除できる
▶設計のポイント
北東側に欠けた矩形敷地となっており、建築のセオリーである建物配置を北側に寄せ東西方向 へ長く配置ができず、次の優位性となる東側を正面とした南北方向に長い配置を選択。室内側を杉、桧、漆喰、珪藻土のみでつくり壁天井内 部の断熱材までも羊毛断熱材を使用。自然素材を駆使して快適性を追求しました。
■プロフィール
1972年生まれ
熊本工業大学(現崇城大学)工学部建築学科卒業
ゼネコン、設計事務所を経て、2004年イッセイハウス一 級建築士事務所設立
住宅実数/約100棟
ARCHITECT
井上 秀樹 Hideki Inoue
壁床天井全てに調湿作用 の優れた杉、桧を使い、カビと無縁の空間とした。木は塗装などせず自然のまま使うことで調湿効果を発揮する
株式会社 イッセイハウス 一級建築士事務所
電気に頼らずとも快適に健康で過ごせる、人にも環境にも本当にやさしい家をつくることに特化した設計事務所
【所在地】〒869-4602 八代郡氷川町宮原243-16
【TEL】0965-62-3726
【FAX】0965-62-4260
【Mail】info@isseihouse.jp
雨の降り込みを防ぐ深い庇と引き違い玄関が重厚感を増す。玄関の良し悪しで家全体のグレードが決 まる
格式のある真壁和室。八代産畳の香りとワラ入り珪藻土壁と照明が織り成す陰影は日本人のDNAに呼応する癒しの和み空間
先人の知恵と現代技術の融合を具現化する
家の設計は、敷地の形状、方角、接道状況、近隣状況、日の入り、風の流れによって決まる。そして、家を建ててから住んでいく期間は 圧倒的に長く、縁があった家族には家庭不和が起こらないよう家相風水も見ることにしているという建築家の井上秀樹さん。最近は珍しいデザインにこだわり、自然環境に配慮せず、大量に電気を消費する家が増えてきていることに危惧している。
井上さんは「夏は涼しく、冬暖かく」という誰もが望むことを、先人の知恵を少し借りるだけで叶えられると考えています。例えば深い軒や瓦屋根、木板と土(漆喰)など、昔ながらの工法を取り入れるだけで電気への依存度を大きく減らす。つまり昔の家がそうであったよう に、日本の気候風土を熟知した伝統工法の木組みの家は、環境に負荷をかけずに快適で空気がうまい。そういう先人たちが築き上げた知 恵と技法を最新の技術と融合させ、今の暮らしに具現化させることを責務としている。
House Data
八代市U様邸(家族3人)
【敷地面積】約109.05坪 【延床面積】約33.9坪
【工法】在来木造軸組工法
【設計期間】約2ヶ月 【施工期間】約6ヶ月